アスベスト分析は、事前調査ではアスベストの含有や量が定かではない、このようなときに行われる検査です。仕上げ塗材の場合は、塗膜(塗料の重ね塗りにおける厚み)が薄い(3mm以下)ので試料を採取する際には比較的広範囲で塗膜を剥ぎ取る必要があります。吹き付けタイル仕上げなどに使用する複層仕上げ塗材の場合は、上塗り・主材・下塗りの3種類がありますが、上塗り材は塗料と同じ数十ミクロンの厚みで下塗り材は殆ど層を構成していないため、サンプルを採取する場合は主材部分でカッターナイフやスクレーパ、ノミなどの工具を使って削り取る方法で行います。複層仕上げ塗材は、表面に凹凸のあるデザインが形成されていることが多いので、凹凸の部分は組成形成は同じで下地への付着強度が強いため、下地材と主材層の境界からきれいに剥離除去できないこともありますが、主材層を部分的に取り除いてアスベスト分析の試料に使う方法もあります。

サンプルを現地から採取するときは、対象になるサンプルにアスベストが含まれていることがポイントになるわけですから、広範囲に取ることや複数の箇所から3か所程度採取して分析を行う必要があるわけです。ちなみに、現地で取得した仕上げ塗材に下地調整塗材やコンクリートなどの不純物が付着しているケースがありますが、目視でコンクリートなどが付着していないことを確認してから密閉可能な保管袋に入れることが大切です。また、工具類にアスベストが付着する恐れがあるので、その都度掃除を行うことも重要です。

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